サイモン&ガーファンクルといえば、繊細なハーモニーと美しい叙情性。
ところが、この「Cecilia」はどうだ。弾むリズムに手拍子まで飛び出して、
思わず身体が動き出す。あの二人にも、こんなにノリのいい曲があったのかと感心したものだ。
アルバム『明日に架ける橋』に収録されたこの一曲、
すっかり気に入って、ギター片手に耳コピまでした。
歌詞に出てくる「Making Love」の意味も、当時はちゃんと分かっていた。
若さというのはありがたい。知識だけは一人前で、経験のほうはいつも品切れだったりする。
あれから幾星霜。曲を聴けば、あの頃のリズムは今も鮮やかによみがえる。
変わったのは、髪の色と腹回りと、夢を見る際の慎重さくらいか。
青春は美しい思い出として残るらしい。
もっとも、こちらの都合のいいように記憶を編集しているだけで、
実際はたいしたこともなかったのかもしれない。
それでも今宵、セシリアに合わせてリズムを刻む。
若い頃は愛を知りたかった。今は、あの頃の自分が知らずに済ませたことの多さに、少々ほっとしている。
