ゴッドファーザーPARTIII」のマイケル・コルレオーネを描く


久しぶりに映画の主人公を描いてみる。

モチーフは『ゴッドファーザー PART III』のマイケル・コルレオーネ、アル・パチーノ。
Adobe PhotoshopとFrescoを使い、細部を精密に描き込むのではなく、
油絵のような筆致と色の重なりで、人物の表情や内面に漂う陰影を表現してみた。

『ゴッドファーザー』と『PART II』は、映画史に燦然と輝く傑作。
そうなると、完結編のPART IIIは少々分が悪い。前二作と比べるのは酷というものだろう。

それでも、アル・パチーノは夫婦そろって若い頃からの大のお気に入り。
なかでも『スカーフェイス』は、オレの映画ベスト10に入る一本だ。
狂気と破滅、そして濃厚すぎるほどの存在感。当時、評論家受けはいまひとつだったが、
シカゴ・ギャング映画のような華麗さや高級感とは無縁の、
むき出しの欲望と暴力がたまらない。
オリバー・ストーンの脚本も、パチーノの演技も、とにかく濃い。

だが、そこがいい(笑)。



今回描いたマイケルの顔にも、権力を手にした男の威厳だけでなく、
過去の罪と孤独に蝕まれた人間の影を重ねてみた。油絵風のデジタル表現で、
老いたマフィアのドンが背負うものを、筆の跡と色彩の揺らぎに託している。

栄光を手に入れ、権力を手に入れ、失いたくないものを守るために、
ことごとく大切なものを失っていく。人生の最後に残ったのは、
栄光でも権力でもなく、取り返しのつかない後悔と孤独。

そんなことを考えながら描いてみた。


目次