Songs My mother Taught Me「わが母の教えたまいし歌」
映画『メゾン・ド・ヒミコ』の余韻って、大きな感動で押し切るというより、終わったあとに静かに残る痛みややさしさ。ドヴォルザークのSongs My mother Taught Meが効くのも、まさにその空気があるからだと思う。人と人が完全には分かり合えなくても、それでも触れ合える瞬間がある、という感触を残し見終わったあとに残るのは、すっきりした答えよりも、言葉にしきれない寂しさと、少しだけ救われた気持ちになる。
忘れてならないのが、オダギリジョーの存在感、その余韻がかなり効いて不器用さや距離感そのものを画面に残すので、作品の静かな痛みが伝わる。当時の「色もの」ではなく、ちゃんと映画の感情を支える俳優として立っていた時期の魅力を強く残すオダギリジョー、この作品と「ゆれる」の演技が最高だ。
救いがないわけじゃないけれど、簡単には晴れない。
そこに『Songs My Mother Taught Me』みたいな、どこか記憶や喪失を思わせる曲が入ると、
説明されなくても胸の奥が動くんだよなぁ。
