ピアソラが生み出した「ヌエボ・タンゴ」。
その中でも、静かな哀愁をたたえた「オブリビオン」に惹かれて描いた一枚です。イメージしたのは、ルシア・ミカレッリのバイオリン演奏。激しく情熱をぶつけるのではなく、細く伸びる旋律の一音一音が、記憶の底に沈んでいくような演奏。その音の余韻を、美しいスペイン人女性の姿に重ねました。女性の表情には、タンゴ特有の情熱だけでなく、どこか遠くを見るような寂しさを漂わせる。流れる髪や身体のラインにはバイオリンの旋律を思わせる曲線を与え、静止したポーズの中にも音楽が流れているような構成を目指しました。
華やかさの裏側にある孤独。情熱の中に潜む静けさ。そして、忘れたはずなのに消えることのない記憶。
「オブリビオン=忘却」という言葉とは裏腹に、
忘れられない音楽の余韻を、一人の女性の姿として描いています。
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Oblivion・Lucia Micarelli
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