
人は歳を取ると、やたら昔の話をしたがる。
どうやらそれは、過去を懐かしむためだけではなく、「自分の人生も、まあ悪くなかった」と確認するためらしい。なるほど。では、オレも少しやってみようと思う。
人生の棚卸しとはいっても都合の悪いところを捨て、見栄えのいいところだけ並べるつもりはない。終活のつもりで書く以上、失敗も、情けなさも、勘違いも含めて、その時の自分を残しておく。人生なんて、あとから編集すれば、いくらでも名作になる。だが、オレはそこまで親切に自分の過去を美化する気はない。もっとも、すべてを真に受けてもらっても困る。昔から妄想癖があり、現実よりも頭の中のほうが景気のいい人生を送ってきた。そのため、事実なのか記憶違いなのか、はたまた寝ぼけた妄想なのか、本人にも判然としない話が混じることがある。そのへんは適当に疑って読んでほしい。
これは人生の立派な回顧録ではない。
老いぼれが自分の人生を肴にして、過去と現在をぶつぶつ喋っているだけだ。
タイトルどおり、
「饒舌な寝言」である。
